「また今朝も…」と思いながら子どもの部屋へ向かうご両親へ
毎朝、何度声をかけてもなかなか起きてこない。
やっと起き上がっても顔色が悪く、頭が痛い、気持ちが悪いと言ってそのまま横になってしまう。
「怠けているわけじゃないのはわかってる。でも、学校はどんどん遅れるし、本人も辛そうで…どうしたらいいのか」
そんなふうに悩んでいらっしゃる親御さんからのご相談がこの時期増えています
お子さんが診断された自律神経の乱れによって、立ち上がるときに血圧がうまく上がらず、午前中は特につらい症状が続きます。
サボりでも甘えでもない、れっきとした体の状態です。

そして、この症状が梅雨の時期に悪化しやすいことには、中医学的な深い理由があります。
こんな症状、当てはまりませんか?
お子さんの様子を思い浮かべながら確認してみてください。
- 朝、なかなか起き上がれず、午前中はぐったりしている
- 立ち上がったときにめまいや立ちくらみがある
- 頭痛や腹痛、吐き気が続く
- 体がだるく、やる気が出ない
- 梅雨や雨の日になると特に症状が重くなる
- 夕方〜夜になると元気になり、夜更かしになりやすい
- 気圧の変化に敏感で、天気が崩れる前から具合が悪くなる
- 食欲がない、または食べても胃がもたれる
いくつか当てはまるものがあれば、中医学的なアプローチがお役に立てる可能性があります。
中医学から見ると…梅雨に症状が悪化する理由
中医学では、梅雨の時期の不調を「湿邪(しつじゃ)」の影響として考えます。
湿邪とは、外の湿気が体に入り込み、体の中に「余分な水分」が停滞してしまう状態のこと。
水がよどんで流れなくなるイメージです。
湿邪が体にたまると、こんなことが起こります。
脾(ひ)が弱る 中医学でいう「脾」は、食べたものを消化して気血(エネルギーや血)に変える臓器です。
湿邪はこの脾の働きを特に妨げるため、体のエネルギーがうまく作られなくなります。
気(き)の昇降が乱れる 「気」は体のエネルギーで、全身を巡って臓器や組織を動かしています。
湿邪による気の停滞は、「朝、体を起こす力」=気を上へ昇らせる働きを妨げます。
これが、起立性調節障害の「朝に血圧が上がらない」という状態と深くつながっています。
心(しん)まで影響が及ぶ 気血が不足すると、心(中医学では心臓+精神活動を司る)が養われにくくなります。
気力が出ない、何もしたくない、気分が沈む、という精神的な落ち込みにもつながります。
梅雨になると起立性調節障害の症状が重くなりやすいのは、「気圧」だけでなく、こうした湿邪が体に入り込み、脾・気・心に影響を与えるからです。
自分でできること〜梅雨時期の養生〜
お子さんと一緒に、できることから取り入れてみてください。
① 湿を取り除く食べ物を意識する
はと麦(薏苡仁/よくいにん)、小豆、とうもろこし、冬瓜(とうがん)などは余分な湿を排出するのを助けます。
はと麦茶をこの時期の常飲茶にするのがおすすめです。 冷たい飲み物・甘いもの・脂っこいものは湿を作りやすいので控えめに。
② 脾を労わる食事を心がける
消化によいものを温かい状態でゆっくり食べる習慣を。
白米のおかゆ、かぼちゃ、山芋、鶏肉などが脾を助けます。 朝食は少量でも温かいものを口にすることが、一日のエネルギーを作る第一歩です。
③ 足三里(あしさんり)のツボを押す
膝のお皿の外側から指4本分下にあるツボです。
脾胃(消化器系)を整え、気力・体力を補う代表的なツボ。 お風呂上がりなど、リラックスしている時間に左右それぞれ1〜2分押してみてください。
④ 早起きの習慣を少しずつ取り戻す
症状が落ち着いてきたら、起床時間を少しずつ(週に15〜30分ずつ)早める練習を。
いきなりではなく、無理のないペースで。起き上がる前にベッドの上で手足を動かしてから起き上がるのも効果的です。
一人で抱え込まないでください
「このまま学校に行けなくなるんじゃないか」
「いつになったら良くなるんだろう」
「何かしてあげたいのに、何もできない」
親御さんのそのしんどさも、どうか置き去りにしないでください。
漢方では、起立性調節障害に対して、湿邪を取り除きながら脾を立て直し、気血を補って自律神経を安定させるアプローチをとります。
体質や症状の出方によって、一人ひとりに合った処方が異なります。
漢方薬で心身のバランスを整えていくと、「朝起きられない」「体がだるい」「気力が出ない」といった症状が少しずつ和らいできます。
体が軽くなってくると、お子さん自身も少しずつ前向きな気持ちを取り戻していけます。
焦らず、でも諦めずに。一緒に体質を整えていきましょう。
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