アトピー性皮膚炎で悩むあなたへ 〜漢方からみた生活の整え方〜

アトピー性皮膚炎のつらいかゆみや炎症、本当に大変ですよね。

病院での治療と並行して、毎日の生活に少しだけ東洋医学の知恵を取り入れてみませんか?

 

身体の内側から整えることで、症状が和らぎ、繰り返しにくい体質に変えていくことができます。

 

今回は、誰でも気軽にできる、日常生活の養生法をご紹介します。

 

①【衣】肌に優しい服を選び、冷えから守る

肌に直接触れる衣服は、コットン(綿)のように通気性が良く、肌触りが柔らかな天然素材がおすすめです。

化学繊維やウール素材は刺激になるので避けましょう。また、洗剤も肌に優しいものを使うと安心です。

 

さらに、身体を冷やさないことが重要です。

特に下半身を温めることで皮膚のバリア機能を高めます。

靴下や腹巻きなど、冷え対策も積極的に取り入れましょう。

 

②【食】食事で内側から整える

食事は体の基礎を作る大切なポイント。

中医学では「邪気(体調を崩す原因)」を取り除き、「正気(健康を守る力)」を補う食事が大切と考えます。

・基本の食事は、穀物や野菜中心の和食スタイルを心がけましょう。

・辛すぎるもの、味が濃いものは控えめに。刺激物は炎症を悪化させる原因になります。

・冷たい飲み物や生もの、脂っこいもの、甘いものは体に「湿(不要な水分や汚れ)」を溜め、症状を悪化させることがあるので、取りすぎないようにしましょう。

・自分の体質に合わない食べ物(発物)を見つけ、控えることも大切です。例えば唐辛子、生姜、ニンニク、エビ・カニ、牛肉、乳製品などが挙げられます。体調を見ながら調整してくださいね。

 

③【住】過ごしやすい住環境をつくる

室内の温度や湿度は一定に保ち、急激な環境の変化を避けましょう。

こまめな掃除でダニやホコリ、カビなどの刺激物を減らすことも大切です。

 

 

④【行】生活リズムと心のケア

規則正しい生活は、症状改善への近道です。

睡眠時間を十分に取り(夜10時〜11時頃の就寝がベスト)、体の疲れをしっかり取ることで皮膚の回復力も高まります。

ストレスも症状を悪化させる大きな要因。忙しい毎日の中でも、自分がリラックスできる時間を意識して作りましょう。

掻いてしまう悪循環を避けるためにも、心が穏やかになる工夫が必要です。

 

 

⑤【季節に合わせた養生法】

季節ごとのケアを心がけることで、症状をコントロールしやすくなります。

・春:花粉や風の刺激を避けるため、マスクを着用し、帰宅後は顔や手を清潔に保ちましょう。

・夏:汗をかいたらすぐ拭き取り、風通しの良い服装で皮膚の負担を軽減します。冷たいものは控えめに。

・秋:乾燥対策として保湿を重視し、梨や沙棘オイルなど潤いを補う食材を摂るのもおすすめです。

・冬:特に冷えと乾燥に注意し、徹底的に保湿しましょう。血行を良くするため、体を温める工夫も取り入れてください。

 

アトピー性皮膚炎との付き合いは、日々の小さな積み重ねが大切です。

ここでご紹介した養生法は、中医学に基づいた基本的な考え方ですので、ご自身の体質に合わせて無理なく続けてください。

専門家のアドバイスを受けながら、一緒に少しずつ、体質改善を目指しましょう。

あなたの笑顔がもっと増えるように、心から応援しています。