近年、中医学が注目される中で、
漢方薬は大腸癌の治療において補助的な役割を果たしています。
本場中国の臨床では、患者の症状や証(体質や状態)に基づき、個別化された漢方治療が行われています。
今回は、東洋医学の考え方に基づいて、大腸癌に関連する主要な4つの証と、
それぞれに使用される代表的な漢方薬をご紹介します。
1. 湿熱鬱毒証 しつねつうつどくしょう
特徴的な症状: 腹痛や便中に血や粘液が混じること、大便が粘稠または臭いが強いなど。
舌質は紅で、苔は黄色、脈は滑数。
治療方針: 湿熱を取り除き、解毒を行う。
代表的な漢方薬: 「槐角丸 かいかくがん」が処方されます。
槐花や地榆、黄芩などが含まれ、湿熱を清し、利湿と解毒効果を持っています。
2. 気滞血瘀証 きたいけつおしょう
特徴的な症状: 腹部の腫瘤や便秘、血便、顔色が暗く痩せた印象が特徴。舌質は紫暗、脈は弦または渋滞。
治療方針: 血行を促進し、瘀血を改善する。
代表的な漢方薬: 「膈下逐瘀湯 かっかちくおとう」が使用されます。
この方剤は血行不良を解消し、瘀血を取り除くことを目的とします。
3. 肝腎陰虚証 かんじんいんきょしょう
特徴的な症状: 体力低下、便秘、目のかすみや耳鳴り、舌質は紅、脈は細数など、虚弱な状態を示します。
治療方針: 陰を補い、肝腎を養う。
代表的な漢方薬: 「知柏地黄丸 ちばくじおうがん」が一般的に選ばれます。知母や黄柏が含まれ、腎陰を補い、体の炎症を抑える作用があります。
4. 脾腎両虚証 かんじんりょうきょしょう
特徴的な症状: 便がゆるく、冷えや疲労感を伴う。腹部の冷えや倦怠感も見られます。
治療方針: 脾腎を温め、虚弱を補う。
代表的な漢方薬: 「四神丸 ししんがん」が使用されます。
この方剤は、温補作用に優れており、消化機能の改善を助けます。
漢方薬の重要性と注意点
漢方薬は、西洋医学と併用することで治療効果を高める可能性があります。
しかし、適切な診断と専門家の指導が不可欠です。
大腸癌の漢方治療を検討される場合は、病院の治療と併用して行なってください
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