「生理痛があるのは当たり前」と長年思っていませんか?
鎮痛剤を飲みながら何とかやり過ごしてきた方も多いと思います。
でも、中医学の視点では、生理痛は体からの大切なサインです。
そしてそのサインを放置することが、妊娠しにくい体質につながっている場合があります。
子宝を授かるには、まず月経を整えることが先決

中医学に「求子之道、首先調経」という言葉があります。
「子を授かるためには、まず月経を整えることが大切」という意味です。
不妊治療に取り組んでいると、ホルモン補充や排卵誘発などの治療に意識が向きがちです。
でも、毎月の生理が乱れていたり、生理のたびに強い痛みがある場合、
その根本にある体の問題を解決しないと、なかなか結果につながらないことがあります。
生理痛と不妊の根っこにあるもの
中医学では、生理痛がある方の体を詳しく診ていくと、いくつかのパターンが重なっていることが多いです。
気の流れが滞っている(肝気鬱結 かんきうっけつ)
妊活のストレス、焦り、不安感……これらは「肝」の働きを乱します。
肝の機能が低下すると、気血の流れが滞り、生理が遅れたり、生理前のイライラや乳房の張りが出てきます。
また気の滞りは熱に変わりやすく、動悸・不安・眠りの浅さなどを引き起こすこともあります。
血の流れが悪い(瘀血 おけつ)
気の流れが滞ると、やがて血の流れも悪くなります。「
不通則痛(流れが滞ると痛みが生じる)」という言葉の通り、経血に塊が混じる、生理痛が強い、顔色が暗いといった症状は、瘀血のサインです。
子宮への血行が悪くなることは、妊娠しにくい体質に直結します。
湿痰が溜まっている(痰湿内蘊 たんしつないゆう)
胃腸が弱く、水分代謝がうまくいかないと、体の中に余分な湿気(痰湿)が溜まります。
口臭、べったりした舌苔、軟便などがみられることがあります。
この湿痰が経絡に流れ込むと、生理不順や不妊の原因になることがあります。
腎(子宮卵巣)の力が不足している(腎気不足 じんきふそく)
東洋医学の腎は生殖機能の根本を司ります。
腰痛や頻尿がある方は、腎の力(子宮卵巣の妊娠力)が弱まっているサインかもしれません。
漢方ではどうアプローチするか

上に挙げたような複数のパターンが重なっているとき、単純に「補腎薬(腎を補う薬)を飲めばいい」というわけにはいきません。
気血の流れが悪い状態のまま補益薬だけを使っても、効果が出にくいことがあります。
まず肝気の流れを整えて気血の循環をよくし、瘀血を取り除きながら、湿痰を化して経絡を通す
そういった複合的なアプローチが必要です。
処方は体質によって一人ひとり異なりますが、月経の状態・全身の症状・舌や脈の状態などを丁寧に診て、その方に合った内容を決めていきます。
生理痛は「我慢するもの」ではありません
生理のたびに鎮痛剤が手放せない、生理前になると気持ちが沈む、経血に塊がある……
そういった症状は、体が「今の状態を変えてほしい」と訴えているサインです。
妊活中の方はもちろん、
まだ具体的には考えていないけれど将来に備えたいという方も、ぜひ一度ご自身の月経の状態を見直してみてください。
月経を整えることは、授かりやすい体を作る、一番の近道です。