「目覚ましが鳴っているのに、体が動かない」
「立ち上がると頭がくらくらして、そのまま倒れそうになる」
そんな毎朝が続いていませんか?
高校生のお子さんが起立性調節障害(OD)と診断されて、
「怠けているわけじゃないのはわかってる、でも何をしてあげればいいんだろう」
と途方に暮れているお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。
漢方の視点から、少しお役に立てることをお伝えしたいと思います。

こんな症状、当てはまりませんか?
起立性調節障害では、こんなサインが重なりやすいです。
- 朝はなかなか起きられず、午前中は特につらい
- 立ち上がったとき、目の前が暗くなる・くらくらする
- 動悸や息切れがしやすい
- 頭が重くてぼーっとする(濡れ帽子をかぶったような感じ)
- 疲れやすく、午後になるとすこし楽になる
- 緊張や感情の波で症状が出やすい
- 食欲が落ちている
- 手足や顔がほてる、または逆に冷える
これらは「怠け」でも「気持ちの問題」でもなく、
自律神経の調節がうまくいっていないからです。
中医学(漢方)から見た起立性調節障害
中医学では、体に流れる
「気(き)」「血(けつ)」「津液(しんえき)」のバランスが崩れたとき、
このような症状が出やすいと考えます。
「気」はエネルギー、「血」は全身を養う栄養分、「津液」は体を潤すもの、とイメージしてください。
高校生のODで特に多いのは、次のようなタイプです。
疲れやすく、ぼんやりするタイプ(気血不足)
気と血がどちらも不足しているタイプ。朝の眩暈、倦怠感、動悸、食欲不振が重なります。勉強や部活のストレスで消耗しやすい時期に多いパターンです。
頭がほてり、口が渇くタイプ(気陰両虚)
エネルギー(気)と体の潤い(陰)が両方不足しているタイプ。手足のほてり、口の渇き、疲れると症状が強くなる傾向があります。
ストレスで症状が波打つタイプ(肝鬱脾虚)
感情の波や緊張をきっかけに症状が出やすいタイプ。試験前や人間関係の変化で悪化しやすく、胸のつかえ感や食欲不振も伴うことがあります。
頭が重く、むくみやすいタイプ(痰湿内阻)
体に余分な水分(痰湿)がたまっているタイプ。重だるさ、悪心、朝の顔のむくみが特徴です。
頭痛も伴うタイプ(瘀血・腎虚)
ほかにも、血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」タイプや、成長期のエネルギーの根っこである「腎(じん)」が不足しているタイプも見られます。
大切なのは、一人ひとり原因のタイプが違うということ。
同じ「起立性調節障害」でも、体の中で起きていることは違います。
だから「これを飲めばよくなる」という一律の答えが出しにくいのです。
毎日の生活でできること
漢方治療と並行して、日常の養生も大切です。
- 朝はゆっくり起き上がる いきなり立ち上がらず、まずベッドの上で上半身を起こし、数分待ってから立つようにしましょう。
- 塩分と水分をしっかりとる 血圧を安定させるため、朝起きたらまずコップ一杯の水を。梅干しや味噌汁など、自然な塩分を取り入れると○。
- 「足三里(あしさんり)」のツボを押す ひざの皿の外側から指4本分下にあるツボ。消化機能を整え、気血を補うツボとして知られています。毎日やさしく押してみてください。
- 夜更かしを減らす 東洋医学では夜の11時〜1時は肝(かん)のエネルギーを回復する時間帯とされています。なるべくこの時間帯に眠れるよう、少しずつ生活リズムを整えてみましょう。
漢方で、その子らしい回復を
「学校に行けない」「午前中が特につらい」という状態が続くと、本人だけでなく、家族もとても消耗します。
でも、体のタイプに合った漢方薬を使うと、体の底から回復していくお子さんをたくさん見てきました。
疲れやすい体質を根っこから整えるには、少し時間がかかることもあります。
でも、「これが自分の体の特徴なんだ」と理解して養生することで、薬の効果も変わってきます。
あなたのお子さんの体質に合わせた漢方薬や養生法を、一緒に考えていきませんか。
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