~中医学の「滑胎(かったい)」という考え方から見えること~
「やっと着床まではできたのに、またリセットしてしまった…」
そんな経験を繰り返すのは、心も体もとてもつらいですよね。
中医学には、このように妊娠はするけれど、
その後うまく育たず流産を繰り返してしまう状態を「滑胎(かったい)」と呼びます。
現代医学でいう「習慣性流産」にあたりますが、
中医学では「なぜ、そこに至ってしまうのか」という体質の背景に注目します。
今日は、「着床まではできるけど、その後が続かない…」という方に向けて、
体の内側から整える漢方的アプローチをご紹介します。
中医学が考える「妊娠が続かない3つの体質」

着床がうまくいっても、その後育たない原因には、主に次の3つのタイプがあると中医学では考えます。
1. 腎気(じんき)の不足タイプ

中医学では「腎(じん)」が生殖や生命エネルギーを司るとされ、
腎のエネルギーが不足していると、胎児をしっかり支える力が弱まります。
✔ 高齢での妊活
✔ 元々体力があまりない
✔ 生理の量が少ない
という方に多いタイプです。
2. 脾気(ひき)の虚弱タイプ

「脾(ひ)」は消化吸収をつかさどる臓器。ここが弱ると、せっかく摂った栄養を赤ちゃんに届けることができません。
✔ 食が細い
✔ 疲れやすい
✔ よくお腹が張る
こんな方は、脾の働きを立て直すことが大切です。
3. 血熱(けつねつ)タイプ

体の中に熱がこもり、子宮の環境が不安定になっているタイプです。
✔ イライラしやすい
✔ 生理が早く来る
✔ 経血の色が鮮やかで量が多い
このような傾向がある方は、余分な熱を冷ましてあげる必要があります。
それぞれのタイプに合った漢方薬と養生法

🔸 腎気不足さんには「寿胎丸(じゅたいがん)」
杜仲や桑寄生など、赤ちゃんを安定させる生薬が入っています。妊娠前〜初期のサポートにおすすめです。
🔸 脾気虚の方には「帰脾湯(きひとう)」
疲れやすく食欲が不安定な方に。体に必要な「気」と「血」を補ってくれます。
🔸 血熱タイプには「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」
体の熱を冷まし、やさしく血流を整える処方です。のぼせやすい方に合います。
日常生活で意識したいこと
-
冷え対策:特にお腹をしっかり温めましょう。冷たい飲み物や食べ物は控えめに。
-
頑張りすぎない:疲れすぎると「気」が消耗されてしまいます。予定は7割でOK。
-
心を整える時間を:ストレスは血熱を助長します。深呼吸、アロマ、お散歩など、自分に合ったリラックス法を。
-
食事でのケア:山芋、黒ごま、クコの実など「腎」を養う食材を意識して取り入れてみましょう。
いつから漢方を始めたらいいの?

理想は、妊娠前から体づくりを始めることです。
そして妊娠がわかった後も、安定期まではしっかりケアを続けましょう。
漢方は即効性のあるお薬ではありませんが、土台から整えていく力があります。
焦らず、でも確実に、3ヶ月〜半年ほど続けていただくと、体の変化を実感される方が多いですよ。
「着床はするのに…まただめだった」
でも、体の声に丁寧に耳を傾けて、
今必要なサポートをしていけば、きっと変化は起こせます。
中医学の良いところは、「あなたの体質」に合わせたオーダーメイドの対応ができるところです
ぜひご相談お待ちしております