「昔と同じように食べているのに太りやすくなった」
「食事を減らしても、なかなか体重が落ちない」
「ダイエットすると疲れて続かない」
40代前後になると、このようなお悩みが増えてきます。
肥満というと「食べ過ぎ・運動不足」が原因と思われがちですが、中医学ではそれだけではありません。
なぜ脂肪や余分な水分をため込みやすくなっているのか?
という「体質」まで考えていきます。
肥満の背景として中医学では
主に痰湿 たんしつ ・脾気虚弱 ひききょじゃく ・血瘀 けつお ・肝気鬱結 かんきうっけつ ・腎虚 じんきょという5つの状態が紹介されています。
つまり、同じ「太りやすい」という悩みでも、原因によって漢方の考え方は変わるのです。
これは現在の中医学で一般的に説明される肥満の捉え方とも共通しています。
① 水分や老廃物をため込む「痰湿タイプ」
中医学で肥満の大きな原因と考えられているのが「痰湿(たんしつ)」です。
脂っこいもの、甘いもの、お酒などを摂り過ぎたり、胃腸の働きが低下したりすると、体の中で水分をうまく処理できなくなります。この余分な水分や不要なものがたまった状態を「痰湿」と考えます。
体が重い、むくみやすい、痰が多い、胸やお腹が張る、舌の苔が厚い、便がスッキリしないといった症状が目印です。
このタイプでは、単純に食事を減らすだけではなく、痰湿を取り除きながら胃腸の働きを整えることが大切です。
② 食べていないのに痩せにくい「脾気虚弱タイプ」
「そんなに食べていないのに太る」という方に多いのが、脾気虚弱(ひききょじゃく)です。
中医学の「脾」は、食べたものを消化吸収し、体に必要なエネルギーへ変える働きを担っています。この力が弱ると、水分をうまく処理できず、痰湿をため込みやすくなります。
疲れやすい、食欲がない、息切れ、汗をかきやすい、むくみ、軟便、体が重いなどが特徴です。
こうした方に、強い下剤作用のある漢方薬などで無理に体重を落とそうとすると、かえって体力を消耗してしまう場合があります。
大切なのは、弱っている胃腸を元気にして「ため込まない体」を作ることです。
③ 血の巡りが悪い「瘀血タイプ」
肥満が長く続くと、「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の巡りの悪さを伴うことがあります。
資料では、顔色が暗い、月経不順・無月経、舌が暗い、シミや斑点があるなどが特徴として挙げられています。
女性の場合、月経の状態は体質を判断する大切なヒントになります。
このタイプでは、体重だけを見るのではなく、血の巡りを整える「活血化瘀」という考え方を取り入れていきます。
④ ストレスで食べてしまう「肝気鬱結タイプ」
「イライラすると甘いものが欲しくなる」
「仕事が忙しいと食べ過ぎる」
「生理前になると食欲が止まらない」
そんな方は「肝気鬱結(かんきうっけつ)」が関係しているかもしれません。
中医学では、ストレスによって「肝」の気の流れが滞ると、胃腸にも影響すると考えます。
資料でも、イライラ、胸や脇の張り・痛み、不眠、月経不順、便秘などが特徴として挙げられています。
このタイプでは「食べないように我慢する」だけでは根本的な解決になりにくく、ストレスによる気の滞りを整えることも重要です。
⑤ 年齢とともに痩せにくくなった「腎虚タイプ」
「若い頃と食事量は変わらないのに太る」
40代以降の方から、とてもよく聞くお悩みです。
中医学では加齢とともに「腎」の働きが低下すると考えます。腎の働きが弱ると、水分を処理する力や体を温める力も低下し、むくみや冷えを伴う肥満につながることがあります。
腰がだるい、手足が冷える、夜間のトイレが増えた、むくみやすい、疲れやすいといった症状がヒントになります。
特に更年期前後では、単純に「食べる量を減らす」だけでなく、年齢による体質変化も含めて考えることが大切です。
「肥満=防風通聖散」ではありません
ドラッグストアなどでは「ダイエットの漢方=防風通聖散」というイメージがあるかもしれません。

しかし、今回の資料でも、防風通聖散は熱がこもり、便秘や皮膚症状などを伴う実証タイプに用いる処方として説明されています。
一方で、疲れやすく胃腸が弱い脾虚タイプや、冷えを伴う腎虚タイプでは考え方がまったく違います。
つまり大切なのは、
太ってしまった原因を見極める事です
これが中医学の「弁証論治」です。
厚麗堂薬局では、体重だけではなく、食欲、便通、むくみ、冷え、睡眠、月経、ストレス、舌の状態などを総合的に確認します。そのうえで、一人ひとりの体質に合わせて漢方を考えていきます。
「食事を減らしているのに痩せない」
「何度ダイエットしてもリバウンドしてしまう」
「年齢とともに体重が落ちなくなった」
無理に体重を落とすのではなく、まずは体のバランスを整えるところから始めてみませんか?
ぜひご相談お待ちしております