これは難しい質問ですね。命に関わる病気の一つですから、誠実に対応させていただきます。
癌の漢方薬は これ!というものはありません。 なぜならば、その方によって個々に対応する必要があるからです。 ですので、肺癌という情報だけで十全大補湯が効果があるかというのは
(たとえ統計学的なエビデンスがあろうとも)なんとも言えないです
東洋医学では癌の漢方薬の研究は進んでいるのですが、治療方法を大別すると
扶正 ふせい 体の免疫力をUPしたり虚弱な部分を補う
補気、補血、補陰、補陽 などの方法がある
と
祛邪 きょじゃ 老廃物を取り去ったり、腫瘍を攻撃する
理気、除湿、化痰散結、活血化瘀、清熱解毒などの方法がある
の二つに分けられます。
十全大補湯について解説をしますと
①四物湯 しもつとうの部分
血を補う 適度に活血する(血の巡りを良くする)
②四君子湯 しくんしとうの部分
気を補う 胃腸の調子を整えて体を元気にする
③黄耆 おうぎ 肺の気を補って免疫力をサポート
④肉桂 にっけい 体の冷えをとる 温めることで巡りを良くする
という構成になっています。
これから考えるとどちらかというと十全大補湯は体の衰弱を抑えたり、
免疫力をサポートする目的で使われる事が多いようです
ただし、胃もたれをしやすい方は十全大補湯が重く感じてしまったり、
お腹の張りがある人はお腹の張りが強くなることもありますので、
自己判断せずに漢方薬の専門家に相談しながら、調節されることをお勧めします