
毎年夏になると…こんな不調ありませんか?
-
肌のかゆみや赤みがひどくなる
-
イライラしたり、気分が沈みがちになる
-
夜、眠りが浅くて疲れが取れない
実はこれ、すべて「夏の邪気」が関係しているかもしれません。
中医学(漢方)では、季節ごとに体調が崩れやすい
「原因」があると考えます。
夏は
「暑邪(しょじゃ)」
「湿熱(しつねつ)」、
「心熱(しんねつ)」
という3つのトラブルが重なりやすく、アトピーの悪化やメンタルの乱れに直結するのです。
今回は、そんな夏特有の不調と中医学の関係、そして整え方をご紹介します。
1. 「暑邪」が体に入りこむと、めぐりが乱れる
夏の外気は、体にこもる「熱」を生みやすい状態。中医学ではこの夏の邪気を「暑邪(しょじゃ)」と呼びます。
暑邪の特徴は?
-
体のエネルギー(気)を消耗させる
-
水分を奪って乾燥させる
-
「熱」がこもりやすくなる
冷房と外の暑さを行ったり来たりする現代の生活は、
体温調整がうまくできず、自律神経が乱れやすいんです。
その結果、肌は乾燥してかゆみが増したり、胃腸や呼吸器にも影響が出やすくなります。
2. 汗が出ない・湿がこもると「湿熱」が肌を刺激
夏に冷たい飲み物やアイスをたくさん摂ると、内臓が冷えて消化力が落ちてしまいます。
さらに、冷房の効いた部屋に長くいると、汗をうまくかけず、体の中に「湿(しつ)」が溜まってしまうのです。
この湿と熱が合わさった状態が「湿熱(しつねつ)」。
湿熱のサイン
-
ジュクジュクした湿疹
-
強いかゆみ
-
赤みや分泌物が増える
アトピーを悪化させる最大の原因のひとつです。
3. 「心熱」が生まれると、イライラや不眠に
中医学では、心(しん)は精神や感情を司る臓器。
そして夏は「心」がとても疲れやすい季節です。
暑邪が心に影響を与えると「心熱(しんねつ)」が生じ、
-
イライラ、不安感
-
不眠、浅い眠り
-
些細なことで気分が乱れる
といったメンタルの不調が現れます。
この心熱が続くとストレスホルモンが増え、皮膚のバリア機能も低下。まさに「アトピーとメンタルの悪循環」に入ってしまうのです。
4. アトピーとメンタルの「夏の悪循環」
暑邪 → 湿熱 → アトピー悪化
↓
メンタル不調(心熱) → 不眠・イライラ → さらに湿熱が悪化
↓
脾(消化器)の働きが低下 → 体に湿が溜まる → アトピーさらに悪化
このように、皮膚と心はお互いに影響し合っているんです。
5. 中医学の夏の整え方
① 暑邪を避ける工夫
-
冷房は外気との温度差を5℃以内に
-
常温か温かい飲み物で水分補給
-
日中は直射日光を避けて
② 湿熱をためない食養生
-
冷たいもの、甘いもの、脂っこいものは控えめに
-
小豆、はと麦、緑豆などで「余分な水分」を排出
-
軽く汗をかく運動を(汗はすぐ拭くこと!)
③ 心熱をしずめるリラックス
-
ラベンダーやカモミールなどの香りで深呼吸
-
ハスの実、百合根、蓮茶など心を整える食材を
-
お風呂や夜の散歩で副交感神経を優位に
④ 皮膚のケアも大切に
-
汗はすぐに洗い流す
-
保湿はこまめに
-
かゆみが強いときは冷たいタオルで優しく冷やす
アトピーは「皮膚の病気」だけではなく、「体全体のバランスの乱れ」から起こるもの。
特に夏は、暑邪・湿熱・心熱という3つの要因が重なりやすく、
現代人の生活環境ではそのリスクがさらに高まります。
心と体、内側と外側。
どちらかだけを整えるのではなく、全体のバランスを意識することが、夏のアトピー対策の第一歩です。
「夏場のアトピーで困っている」と思ったら、ぜひご相談くださいね