肺がんの治療は、
手術・放射線・化学療法・分子標的薬・免疫療法など、西洋医学の進歩によって多くの選択肢が広がっています。
しかし治療を受ける中で、副作用のつらさや体力・気力の低下、
そして「これからの生活をどう支えるか」という不安を抱える方も少なくありません。
そんな中で近年注目されているのが、漢方薬を組み合わせたサポートです。
漢方医学は、病気そのものだけでなく、治療を受ける方の体の状態や生活全体を整えることを大切にする医学です。
これは「証(しょう)」と呼ばれる体質診断にもとづいて行う、いわばオーダーメイド治療です。
東洋医学で考える肺がんの4つのタイプ
漢方では、同じ「肺がん」でも症状や体質によって4つのタイプに分け
、それぞれ異なるサポートを行います。
1. 血の巡りが滞るタイプ

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特徴:咳は少ないが胸の苦しさ、刺すような胸痛、血の混じった痰。顔や唇が紫っぽい。
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考え方:血の流れが滞り、肺にしこりや痛みが出ている状態。
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目指すこと:血の流れを良くし、胸の圧迫感や痛みを和らげる。
2. 痰や湿がたまるタイプ

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特徴:痰の多い咳、息苦しさ、粘り気のある痰。胸の重さ、だるさ、食欲不振。
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考え方:消化機能が弱り、体内の余分な水分(湿)が痰となって肺に溜まる状態。
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目指すこと:痰を取り除き、呼吸をラクにする。
3潤い不足で熱がこもるタイプ

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特徴:乾いた咳、少量の血痰、微熱、のぼせ、のどの渇き、便秘。
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考え方:体の潤いが減り、熱がこもることで炎症や乾燥が進んだ状態。
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目指すこと:体を潤し、こもった熱を冷ます。
4. 体力と潤いの両方が不足するタイプ

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特徴:弱々しい咳、少ない痰、息切れ、疲れやすい、寝汗、顔色が悪い。
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考え方:長引く治療や病気の進行で、体力(気)と潤い(陰)の両方が消耗した状態。
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目指すこと:体力を補いながら、潤いを保つ。
漢方を取り入れるときの注意点
漢方薬の使用は、
治療の副作用軽減や体力・気力のサポート、生活の質の向上を目的とします。
肺がん治療は長くつらい道のりに感じることもありますが
、漢方というもうひとつの選択肢が、治療を続ける力や生活の安心につながることがあります。
今の自分の体を整えながら、治療と日常生活の両立を少しでもラクにしていきましょう。
お体のお悩みぜひご相談お待ちしております