梅雨の時期になると、体調が崩れやすくなるお子さんや学生さんのご相談が増えてきます。
特に最近は、「起立性調節障害(OD)」と診断されるケースが増えており、
朝起きられない、頭痛やめまい、倦怠感、食欲不振などに悩む子どもたちが少なくありません。

西洋医学では、自律神経の乱れや血圧調整機能の問題として扱われることが多いですが、
漢方・中医学の視点から見ると、もっと深い“体質の根っこ”が影響しています。
梅雨と「湿邪(しつじゃ)」の関係
中医学では、梅雨のようにジメジメとした気候は“湿邪”と呼ばれる邪気に分類されます。

湿邪は、体の中に重だるさ・めまい・むくみ・消化不良などを引き起こしやすく、
特に脾(消化吸収を司る)や心(精神や意識の安定を司る)に影響を与えると言われています。
起立性調節障害を持つ子の多くは、この「湿邪」によって
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朝がつらい
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胃腸が弱い
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気分が沈む
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集中できない
といった症状を感じやすくなっています。
起立性調節障害は“脾虚”と“心脾両虚”タイプが多い

漢方相談の現場で多いのは、“脾虚(ひきょ)”タイプの体質です。
これは、消化吸収の力が弱く、エネルギーをうまく生み出せない状態。
また、学校や家庭でのプレッシャーやストレスが重なると、
**心(しん)と脾(ひ)の両方が弱る“心脾両虚”**の状態になり、
心が不安定になったり、涙もろくなったり、物忘れや夢が多くなったりすることもあります。
漢方の役割は“気の巡り”と“湿の排出”

こうした起立性調節障害に対して、漢方では以下のようなサポートをしていきます。
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脾を元気にしてエネルギーを生み出す
→ 補気健脾(ほきけんぴ):胃腸を元気にし、気を生み出す処方
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余分な“湿”を体外に出す
→ 化湿利水(けしつりすい):体内の湿気を排出して、重だるさを改善
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心を安定させて眠りや不安を整える
→ 安神(あんしん):こころを落ち着け、精神を安定させる
お一人おひとりの体質に合わせて処方することで、少しずつ朝起きる力・気持ちの安定・元気な胃腸が取り戻されていきます。
「無理をしなくていい」ことを伝える漢方の力

起立性調節障害を持つ子どもたちの多くが、自分を責めています。
「学校に行かなきゃいけないのに起きられない」
「頑張りたいのに体が動かない」
そうした葛藤を、周囲の大人が見落としてしまうことも少なくありません。
漢方では、「今の体と心に必要なペースを整えてあげる」ことが大切だと考えます。
無理に押し上げるのではなく、足りない部分を補い、滞っているものをやさしく流してあげる――
それが、体と心に寄り添う漢方の役割です。
梅雨の時期は、起立性調節障害の症状が悪化しやすい季節です。
もしお子さんやご自身が「なんとなくつらい」「朝がしんどい」と感じているなら、
それは甘えではなく、体からの大事なサインかもしれません。
「無理しなくていいよ」
「一緒に整えていこう」
そんな気持ちで、私たちは漢方相談に向き合っています。
お子様の不登校や朝の体調不良でお悩みの時は
ぜひご相談くださいね