
~中医学の視点から見た「湿熱」とのつき合い方~
毎年夏になるとアトピーがひどくなる…
「汗をかくとかゆくて眠れない」
「ジュクジュクして着るものにも困る」
そんなお悩みを抱えている方はとても多くいらっしゃいます。
高温多湿の日本の夏は、アトピーさんにとってまさに試練の季節。
でも実はそれ、体の内側に原因があるかもしれません。
今日は、そんな「夏のアトピー」の正体と、中医学(東洋医学)からできるサポートについてお話しします。
中医学では、アトピーは“内側からのバランスの乱れ”
中医学では、アトピーをはじめとした皮膚のトラブルの原因は 皮膚だけではなく、
内臓のバランスの乱れが肌に現れている状態と考えます。
特に夏場は、次のような要因でアトピーが悪化しやすいとされています👇
1. 湿熱(しつねつ)
ジメジメとした暑さが体の中に「湿」と「熱」をため込み、
かゆみ・赤み・ジュクジュクを引き起こします。
2.熱の過剰
夏は陽気(=熱のエネルギー)が盛んになりすぎて、
皮膚のバリア機能が乱れ、刺激に過敏になります。
3. 冷たい飲み物による脾胃(ひい)の弱り
アイスや冷たいドリンクの摂りすぎで胃腸が弱ると、
体内に“余計な水分”が溜まり、湿疹が出やすくなるんです。
夏に多い3つの体質パターンと漢方のアプローチ
アトピーは「体質によって対応が違う」のが中医学の考え方。
ここでは、夏に特に多い3つのタイプをご紹介します。
■ 湿熱タイプ(しつねつしょう)
特徴:
・赤みの強い湿疹
・ジュクジュク、滲出液
・かゆみが強く、舌苔は黄色くべたつく
おすすめの漢方薬: 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
→ 体にこもった「熱」と「湿」を冷ましてくれます。
■ 血虚風燥タイプ(けっきょふうそうしょう)
特徴:
・粉をふいたような乾燥
・夜になるとかゆみがひどくなる
・舌が淡くて乾燥している
おすすめの漢方薬: 当帰飲子(とうきいんし)
→ 血を補い、肌にうるおいを与えます。
■ 脾虚湿盛タイプ(ひきょしつせいしょう)
特徴:
・むくみやすく、疲れやすい
・下痢しやすい
・舌が大きくて歯型がついている
おすすめの漢方薬: 六君子湯(りっくんしとう)
→ 胃腸の機能を立て直し、たまった「湿」を排出してくれます。
夏のアトピー対策|日常でできる5つのこと
漢方薬に加えて、生活の中でちょっとした意識を変えるだけでも
お肌の調子はグッと整っていきます。
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冷たい飲み物を控え、常温~温かいものを選ぶ
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汗をかいたらこまめに拭き、肌を清潔に保つ
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生もの・脂っこいものを控え、消化に優しい食事を
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夜は23時までに寝る。睡眠は肌の修復時間
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イライラを溜めず、自分なりのリラックス法を見つける
「夏になるとアトピーが悪化して、出かけるのが憂うつ…」
そんな方の声をたくさん聞いてきました。
でも、体の中の湿熱やバランスを整えることで、夏も快適に過ごせる体はつくれます。
焦らず、でもしっかり体に向き合っていけば、
少しずつ、確実に変わっていきます。
ぜひご相談お待ちしております