
妊娠を希望している35歳以上の女性の中には
「着床はするけれど、その後が続かない」という悩みを抱えている方が少なくありません。
中医学(漢方)では、このような状態を「滑胎(かったい)」と呼び、
特に高齢妊娠(35歳以上)では「腎虚(じんきょ)」や「瘀血(おけつ)」が原因になることが多いと考えられています。
今回は、中医学の弁証論治(症状に合わせた治療法)に基づき、着床後の妊娠継続をサポートする漢方について解説します。
1. 中医学から見る「着床はするが継続しない」原因
中医学では、妊娠の維持には
「腎(じん)」「肝(かん)」「脾(ひ)」のバランスが重要とされています。
特に35歳以上の場合、以下のような体質の偏りが影響していることが多いです。
(1)腎虚(じんきょ)… 生命力や生殖機能の低下
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加齢とともに「腎精(じんせい)」が不足し、子宮の力が弱まる
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黄体機能不全やホルモンバランスの乱れにつながる
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基礎体温が不安定、生理周期が乱れやすい
(2)瘀血(おけつ)… 血流不良で子宮環境が悪化
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冷えやストレスで血行が滞り、子宮内膜の状態が悪くなる
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着床しても栄養が届かず、妊娠が継続しにくい
(3)脾虚(ひきょ)… 消化吸収力の低下による気血不足
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栄養をしっかり摂れていないと、子宮にエネルギーが行き渡らない
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貧血気味、疲れやすい、むくみやすい方は要注意
2. おすすめの漢方薬と養生法
(1)補腎(ほじん)を中心に… 「腎」を強化する漢方
腎の力を高めることで、妊娠維持に必要な「衝任脈(しょうにんみゃく)」を整えます。
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寿胎丸(じゅたいがん)
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杜仲(とちゅう)・桑寄生(そうきせい)などで腎を補い、流産を防ぐ
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黄体機能をサポートし、着床後の安定を促す
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婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
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当帰(とうき)や阿膠(あきょう)が血を補い、子宮内膜を厚くする
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(2)活血(かっけつ)… 血流を改善する漢方
瘀血がある場合、血流を良くすることで子宮環境を整えます。
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桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
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血行を促進し、子宮の循環を改善
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冷えや生理痛がある方に適する
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冠元顆粒(かんげんかりゅう)
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丹参(たんじん)や川芎(せんきゅう)が瘀血を解消
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(3)補腎+活血の組み合わせが効果的
特に35歳以上では、「補腎薬」と「活血薬」を併用することで、子宮の機能を総合的にサポートできます。
例)
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「寿胎丸」+「桂枝茯苓丸」
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「婦宝当帰膠」+「冠元顆粒」
3. 日常生活で気をつけること
漢方だけでなく、生活習慣の見直しも重要です。
✔ 冷え対策… 腹巻きや湯船で子宮を温める
✔ ストレス軽減… 自律神経の乱れは血流を悪化させる
✔ 良質な睡眠… 22時~2時の間に寝ると腎精が養われる
✔ 適度な運動… ウォーキングやヨガで血行促進
4. まとめ:35歳以上は「補腎+活血」で妊娠継続力を高める
35歳以上の「着床はするが続かない」という悩みには、
「補腎(腎を強化)+活血(血流改善)」のアプローチが有効です。
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腎虚があると、妊娠を維持する力が弱まる
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瘀血があると、せっかく着床しても栄養が届かない
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「寿胎丸」「桂枝茯苓丸」などの漢方で体質改善を
漢方は個人の体質に合わせて選ぶ必要があるため、ぜひご相談ください