
中医学から見る生理痛と妊娠力の関係
「生理痛は毎月のことだから仕方ない」
そう思って、鎮痛剤でやり過ごしていませんか?
実は中医学では、月経痛は“妊娠力の低下”を示すサインのひとつと考えます。
今回は、月経痛と不妊の関係を中医学の視点で解説します。
月経痛は「衝任脈 しょうにんみゃく」のSOS
中医学では、女性の生殖機能は
「衝脈(しょうみゃく)」と「任脈(にんみゃく)」という2つの経脈が大きく関わります。
この2本は子宮や卵巣の血流やホルモンバランスに直結しており、
ここに滞りや不足が起こると、痛みや月経不順として現れます。
つまり月経痛は、
衝任脈のトラブルを知らせる“体のアラーム”なのです。
中医学の弁証論治から見る月経痛のタイプ
月経痛は大きく「実証タイプ」と「虚証タイプ」に分けられます。
1. 実証タイプ
エネルギーや血の流れが滞っているために痛むタイプです。
代表的な原因は
「瘀血(おけつ)」や「寒凝(かんぎょう)」など。
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痛みが刺すように強い
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血塊(レバー状の経血)が多い
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温めると楽になる
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経血の色が暗く、黒っぽい
鎮痛剤で痛みは一時的に抑えられても、滞りそのものは改善されません。
2. 虚証タイプ
エネルギーや血そのものが不足しているために痛むタイプです。
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生理前からだるい
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痛みは鈍く、長く続く
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経血の色が薄い、量が少ない
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温めると心地よい
このタイプは冷えや疲労で悪化しやすく、放置すると妊娠力が下がることがあります。
痛みのメカニズム:「不通則痛 ふつうそくつう」と「不栄則痛 ふえいそくつう」
中医学では、痛みの発生原因を2つに整理します。
■ 不通則痛(ふつうそくつう)
「通じなければ痛む」
血や気の流れが滞ることで、経血がスムーズに排出されずに痛みが生じます。
実証タイプに多く見られるパターンです。
■ 不栄則痛(ふえいそくつう)
「栄えなければ痛む」
子宮や骨盤内の組織に栄養や温かさが足りず、冷えや虚弱が原因で痛む状態です。
虚証タイプに多い特徴です。
どちらも「衝任脈」の働きが乱れているサインであり、
放置すると妊娠の準備が整わない体質になってしまいます。
鎮痛剤でごまかすより、体質改善を
痛みだけを鎮める鎮痛剤は、根本原因にはアプローチできません。
衝任脈の巡りを整え、気血の流れや量を改善するには、漢方薬や鍼灸による体質改善が有効です。
例えば、
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不通則痛なら「活血化瘀(かっけつかお)」で滞りを流す処方
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不栄則痛なら「補血温経(ほけつおんけい)」で温め栄養する処方
これらを体質に合わせて選ぶことで、月経痛の軽減と妊娠しやすい体づくりを同時に目指せます。
まとめ
月経痛はただの毎月の不快感ではなく、「妊娠しやすい体かどうか」を映す鏡です。
中医学の視点では、衝任脈の乱れを整えることが妊活の第一歩。
痛みを鎮痛剤でやり過ごすのではなく、体質改善を目的とした漢方薬で根本から整えていくことをおすすめします。
「生理痛は私の体の声」
そう捉えて、未来の妊娠力につながるケアを始めてみませんか?
ご相談お待ちしております