
「赤ちゃんが欲しい」と思ったとき、まず気にかけたいのがご自身の体の状態。
中医学(中国伝統医学)では、おりものは「帯下(たいげ)」と呼ばれ、女性の健康状態、特に生殖機能を映し出す大切なバロメーターと考えられています。今日は、
おりものの状態からご自身の体質をチェックする方法を中医学の観点からお伝えします。
正常なおりものとは?
健康的なおりものは、透明かやや白っぽく、少し粘り気があり、無臭か少し酸味のあるようなにおいがします。
量は生理周期によって変化し、排卵期には量が増え、卵白のように透明で伸びやすい状態になります。
中医学では、このようなおりものは
「気(エネルギー)」「血(けつ)」「津液(しんえき:体の水分)」
が十分で、子宮や卵巣の機能が良好である証と捉えます。
異常なおりものと体の状態
1.白くて水っぽいおりもの(白帯)
水のようにサラサラした白いおりものが多い場合は、
「気虚」や「陽虚」といったエネルギー不足の状態が考えられます。
体が冷えやすく、疲れやすい、むくみやすいといった症状を伴うことが多いです。
子宮や卵巣の機能が低下している可能性があり、着床しづらい環境になっているかもしれません。
2.黄色く粘り気のあるおりもの(黄帯)
黄色くネバネバしたおりものは、体内に「湿熱」という余分な熱と湿気がこもっている状態です。
ストレスや脂っこい食事、甘いものの摂りすぎが原因になることも。
炎症を起こしやすく、子宮内環境が整いづらいため、妊娠力の低下につながる可能性があります。
3.豆腐カスのようなおりもの

膣炎 病気になった子宮のイラスト
ポロポロとしたおりものは、カンジダ膣炎の可能性があります。
中医学では「湿邪」が強い状態と考え、体の余分な水分が排泄されずに溜まっていることを示します。
体が重だるく、食欲不振などの症状も見られることがあります。
4.茶色いおりもの
生理前後ではないのに茶色いおりものが見られる場合は、
「瘀血(おけつ)」といって血行不良が考えられます。
子宮の血流が悪く、受精卵が着床しづらい環境になっている可能性があります。
おりものと妊娠力の関係
中医学では、妊娠力は「腎(じん)」
(生命力の源)のエネルギーや「肝(かん)」
(血液の貯蔵と流れをコントロール)の働き、「脾(ひ)」(消化吸収機能)の状態が深く関わると考えます。
おりものの異常は、これらのバランスが崩れているサイン。
体質を整え、子宮内環境を改善することが、妊娠力アップへの近道です。
セルフ体質チェックと改善のヒント
白くて水っぽいおりものが気になる方
→体を温める食材(生姜、にんじん、かぼちゃなど)を摂り、冷えを改善しましょう。
黄色く粘り気のあるおりものが気になる方
→脂っこい食事や甘いものを控え、清熱作用のある食材(緑豆、トマト、キュウリなど)で体の熱を冷ましましょう。
おりものの異常が続く場合
→一度、婦人科を受診し、感染症などの疾患がないか確認することも大切です。
おりものは、毎日できるセルフチェックの重要な指標です。
ご自身の体の声に耳を傾け、体質に合った生活習慣や食事を取り入れることで、妊娠しやすい体づくりを始めてみてください。