
秋になると
「涼しくなってホッとするはずなのに、肌がカサカサして痒い…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
特にアトピー性皮膚炎で敏感な肌の方にとって、
秋は乾燥やかゆみが強く出やすい季節です。
これは単なる季節の変化ではなく、
実は夏からの積み重ねと秋特有の気候の影響が関わっているのです。
夏の紫外線が残す「瘀血(おけつ)」の影響
夏の強い紫外線は、実は秋の肌トラブルの原因のひとつ。
中医学では、この紫外線を「熱毒」と考えます。
熱毒が皮膚に入り込むと血の巡りを妨げ、「瘀血(おけつ)」という滞りが生じます。
瘀血があると皮膚の代謝が落ち、ダメージの修復力が弱まります。
結果として、秋に入ってから
「バリア機能が低下し、ちょっとした乾燥や刺激でも痒みや炎症が出やすい」
状態になってしまうのです。
秋特有の「燥邪(そうじゃ)」が乾燥を悪化させる
秋は「燥邪」という乾燥の邪気が強まる季節。
肺や皮膚は特に燥邪の影響を受けやすく、潤いがどんどん奪われていきます。
夏の紫外線でダメージを受けた肌に、
秋の燥邪が加わることで、
「カサカサ感」や「粉を吹くような乾燥」
「我慢できないかゆみ」といった症状が一気に悪化しやすくなります。
中医学的アプローチ:弁証論治で考える
アトピーのケアは「誰にでも同じ薬を」というわけにはいきません。
中医学では「弁証論治 べんしょうろんち」といって、
その人の体質や症状に合わせて方法を選びます。
秋の乾燥アトピーに用いられる代表的なアプローチを紹介します。
① 瘀血を取り除く
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桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の滞りを改善し、新陳代謝を助ける
② 潤いを補う
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滋陰降火湯(じいんこうかとう):体の陰液を補い、乾燥による炎症を鎮める
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温清飲(うんせいいん):血を養いながら余分な熱を冷ます
③ 痒みを抑えバリアを高める
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消風散(しょうふうさん):強いかゆみに対応し、皮膚の炎症を鎮める
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十全大補湯(じゅうぜんだいほとう):気血を補い、回復力と免疫力をサポート
日常でできる養生の工夫
漢方薬と併せて、普段の生活の中で肌を守ることも大切です。
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食事
梨、白きくらげ、豆腐など「潤いを補う食材」を取り入れる
ごまやくるみで「皮膚の保護膜」をサポート
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生活習慣
加湿器で湿度を50~60%に保つ
熱いお風呂は避け、ぬるめのお湯で短時間入浴
コットンや麻など天然素材の衣類で肌ストレスを減らす
秋のカサカサ・かゆみは、
「夏に溜まった瘀血」と「秋の燥邪」のダブルパンチによって起こるものです。
だからこそ、体の内側から整える漢方と、日常の小さな工夫を組み合わせることが、
つらい症状の改善につながります。
自己流で対応するのではなく、
専門家に相談し、自分の体質に合った方法を取り入れることが大切です。
秋が深まる今こそ、体と心を潤すケアを始めてみませんか?
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