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Toggle更年期症状の原因は「陰虚 いんきょ」にある

中医学では、更年期症状の根本的な原因の多くは
「陰虚(いんきょ)」にあると考えられています。
陰虚とは、文字通り
「陰のエネルギーが不足した状態」を指します。
中医学における「陰」は、身体を潤し、冷静に保つ働きを持つ物質。
いわば身体の冷却システムのようなものです。
この陰のエネルギーが不足すると、
ほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)、寝汗、不眠、口の渇き、肌の乾燥といった症状が現れます。
女性は40代後半から50代にかけて、腎(じん)のエネルギーが自然と減っていきます。
中医学でいう「腎」は、成長・発育・生殖をつかさどる重要な臓器。
この腎には「腎陰」と「腎陽」の二つのエネルギーがあり、更年期には特に「腎陰」が不足しがちになるのです。

中医学が提案する更年期へのアプローチ
では、陰虚による更年期症状にはどのような対策があるのでしょうか。
中医学では
「補腎(ほじん)」(腎のエネルギーを補う)
と「補血(ほけつ)」(血を補う)という二つのアプローチが重要視されます。
「補腎」には、腎陰を滋養する漢方薬が用いられます。
例えば、
六味丸(ろくみがん)
や
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)などが代表的です。
これらは不足した潤いを補い、身体のほてりを鎮めてくれます。
また、
「女性の健康は血(けつ)にあり」と言われるように、
「補血」も更年期の不調改善には欠かせません。
血が不足すると、めまい、不眠、動悸、皮膚の乾燥などが起こりやすくなります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
や
加味逍遙散(かみしょうようさん)などは、
血を補い、血流を改善することで心身のバランスを整えます。
予防医学としての中医学の魅力

中医学の素晴らしい点は、症状が出てから対処するだけではなく、
未病(病気になる前の状態)の段階で身体のバランスを整え、
健康を維持しようという予防医学的な考え方にあるのです。
年齢を重ねるごとに変化する身体――これは自然の摂理であり、抗うものではありません。
しかし、中医学の知恵を借りれば、
その変化を穏やかに受け入れ、より健やかに年齢を重ねていくことが可能です。
更年期は終わりの始まりではなく、新たな人生の始まり。
中医学は、この時期を無理なく、心地よく過ごすための手助けをしてくれるのです。
漢方薬を選ぶ際は、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことが大切です。
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