PCOSと漢方~あなたの悩みに寄り添う、漢方薬の選択肢

「生理が不順…」「ニキビがひどい…」「もしかしてPCOS?」

近年、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)という言葉を耳にする機会が増えました。
この病気は、若い女性の5~8%にみられ、

排卵がうまくいかない、生理不順、ニキビ、多毛、不妊など、女性にとってつらい症状を引き起こします。

 

「病院での治療は受けているけれど、なかなか良くならない…」
「体質から改善したいけど、どうしたらいいの?」

 

そんな悩みを抱えているあなたへ。

今回は、PCOSの改善をサポートする「漢方」という選択肢について、

詳しくお話しします。

 

**PCOSってどんな病気?**

PCOSは、卵巣の中でたくさんの卵胞(卵子のもと)が育つものの、成熟しきらずに排卵が起こりにくい状態を指します。

主な原因は、ホルモンバランスの乱れ。

特に、男性ホルモン(アンドロゲン)の過剰や、

インスリン(血糖値を下げるホルモン)の効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が関係していると考えられています。

 

**PCOSの症状、チェックしてみましょう**

* 生理不順(生理が来ない、周期が長い、短いなど)
* ニキビ、肌荒れ
* 多毛(顔、胸、背中などに毛が濃くなる)
* 肥満、体重増加
* 不妊

 

これらの症状がいくつか当てはまる場合は、PCOSの可能性があります。
気になる方は、早めに婦人科を受診しましょう。

 

**漢方でPCOSは改善できる?**

 

漢方は、西洋医学のように病名に対して薬を処方するのではなく、
「証(しょう)」と呼ばれる、

一人ひとりの体質や症状、体力などを総合的に判断して、その人に合った漢方薬を選びます。

 

PCOSの場合、漢方では主に以下のような体質・状態を考え、それぞれに対応する漢方薬を用います。

 

1. **瘀血(おけつ)**: 血の巡りが悪く、滞っている状態。

生理痛がひどい、経血にレバー状のかたまりが混じる、などの症状があります。

* **桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)**: 瘀血を改善し、ホルモンバランスを整える代表的な漢方薬です。
* **桃核承気湯(とうかくじょうきとう)**: 瘀血がひどく、便秘がちな場合に用います。

 

2. **痰湿(たんしつ)**: 体内に余分な水分や老廃物が溜まっている状態。

  むくみやすい、体が重だるい、などの症状があります。

* **当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)**: 血を補い、水の巡りを良くする漢方薬です。冷え性の方にもおすすめです。
* **温経湯(うんけいとう)**: 体を温め、ホルモンバランスを整える漢方薬です。

 

 

3. **気滞(きたい)**: ストレスなどで気の巡りが悪くなっている状態。

イライラしやすい、胸が張る、などの症状があります。
* **加味逍遙散(かみしょうようさん)**: 気の巡りを良くし、ストレスを緩和する漢方薬です。

 

4. **腎虚(じんきょ)**: 生殖機能や成長、老化などに関わる「腎」の働きが低下している状態。疲れやすい、足腰がだるい、などの症状があります。

* **六味丸(ろくみがん)**: 腎の働きを補う基本的な漢方薬です。
* **八味地黄丸(はちみじおうがん)**: 六味丸に体を温める生薬を加えたもので、冷えが強い場合に用います。

 

**PCOSと診断された方の漢方治療例**

* 36歳女性:不妊治療中。芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)を服用し、体外受精で妊娠に至った。

これらの例からもわかるように、漢方はPCOSのさまざまな症状を改善し、妊娠しやすい体づくりをサポートすることができます。

 

**漢方治療を始める前に**

漢方薬は、ドラッグストアでも購入できますが、PCOSの改善には、
あなたの体質や症状に合った漢方薬を選ぶことが重要です。

また、漢方治療は、生活習慣の改善と並行して行うことで、より効果を発揮します。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。

 

**まとめ**

PCOSは、多くの女性が悩む病気ですが、決して諦める必要はありません。
西洋医学の治療と並行して、漢方を取り入れることで、体質から改善し、
つらい症状から解放される可能性があります。

気になる方は公式LINEからご相談お待ちしております